2011年12月31日土曜日

2011年12月31日


2011年も大晦日となりました。

今年は3月11日の東日本大震災、
東京電力福島原子力発電所の事故と
忘れてはいけない、大変な1年でした。
総括するにはまだ全くもって早い。
と言わざるを得ない状況です。

夏、あるお仕事で女川に取材に出向き、
松島から石巻まで海岸沿いを走り、さらに女川へ向かいました。
たった1日の駆け足の取材で、何か言えるとは思いませんが、
津波により、町の構造物のほとんどを流された沿岸部の風景を見て、
この状況を『忘れない』こと。
そこから始めないといけないように思いました。
忘れてもう一度走り出すのではなくて、
忘れずに、しぶとく。

そのあとにつづく、東京電力福島原子力発電所の事故は、
いままでの生活はもうできない。という
最後通告を受けたのと同じだと思います。
今もなお不信と不安が渦巻いています。
事故以前まで、特に食品について「国産」という文字に
絶大なる信頼感を感じて生活してきていたことを痛感しています。
廃炉までに30年かかると公表されているので、
実際には、もっとかかるのだと思いますが、
自分の目が確かなうちにこの事故の真の収束は見られないのかもしれない。
という重い事実が、悔しくてなりません。
しかし、子供たちのためにできることをせねばならないと思います。
微力ながら、自分の仕事の中で、そうしたポリシーを持ち、
また共感できるポリシーを持つ方々と繋がって、
小さくとも確実な意思を持ち続けたいと思っています。

私の今年1年の報告として、
震災以降、仕事はペースダウンするだろうと思い、覚悟を決めていましたが、
実際はその逆で、普段からおつきあいのある音楽や表現領域の方々とのお仕事が、
「いまこそ、表現しなくてはいけない」という使命感だと思うのですが、
むしろ、そうした芸術領域のお仕事が例年にも増して多い1年でした。
やはり、そうした表現を仕事にしている方々のフットワークと使命感は、
信頼できるのだと、改めて思いました。
ほんとうに学ぶことの多い人たちとお仕事できる幸せを感じています。
また、新しいビジネスを始めたいという方々へのサポートも多く、
モチベーションの固まりのような方から得る刺激は、
自分の仕事の状態を見極めるスコープにもなり、ありがたい存在です。

2012年はどんな年になるのでしょうか?
今年から準備をつづけていて、2012年に公開が予定されている、
楽しみなプロジェクトもいくつかあります。

3.11以降、このサイトのアップデートが定期的に行えず、
行く先でたまに「大丈夫?」と声をかけていただくことがありましたが、
元気にやっています。
掲載しておきたい作品はたくさんありますので、
来年、順次掲載していければと思っています。

今年も北川デザインオフィスとして、
みなさまに大変お世話になりました。
ありがとうございます。

よいお年をおむかえください。

2012年がより良い年となりますように。

2011年9月27日火曜日

EXIT THROUGH THE GIFT SHOP Banksy


先に渋谷での屋外大型広告も掲載しましたが、アーティストBanksyが制作した映画『EXIT THROUGH THE GIFT SHOP』の告知ビジュアルの制作をしました。既成概念、批評家やメディアが醸成する価値を一度疑ってみること。バンクシーがこれまで制作物を通して発表してきた姿勢が映画にも定着されている。そこから学べる事は、いま、アートだけではなくて、むしろアート以外のことにこそ言えることのように思います。

2011年9月23日金曜日

大村亘 Introspect


JAZZドラマー 大村亘さんのアルバムIntrospectを制作しました。レーベル設立当初よりずっとデザインを担当させていただいている、D-musicaレーベルの12枚目のリリースとなります。1枚ずつ制作してきたアルバムが10枚を越え、気がつけばすでにもう12枚。アルバムの制作〜リリースまで、だいたい1ヶ月〜2ヶ月程度かかるので、1年があっという間に終わるように感じるのは無理もないなと思います。
このアルバム、興味深い内容で、大村さんがドラム、安田幸司さんがベースの組み合わせに、Hakuei Kimさん、佐藤浩一さん、石田衛さん、3人のピアニストが共演(競演?)しています。聴きくらべるという楽しみもありますが、ピアノが変わっても感じる大村さんの音楽も感じられるのがおもしろいところです。

たなかりか When She Flows


ずっと作品をアップ出来ずにいたので、もう随分前の制作です。
JAZZヴォーカリストのたなかりかさんのアルバム『When She Flows』の制作をしました。写真は米谷享さん。恵比寿の外れの古書店のアトリエで撮影しました。
ヴォーカリストのアルバムは難しい。ヴォーカルの名作と言われるアルバムのいくつかは、そのアーティストの印象的なポートレートで構成されていて、その人の音楽や声色がそのアルバムを見るだけで聴こえてくるようなものがあります。名作をなぞっても名作にはならないですが、やっぱりヴォーカリストのアルバムには「いいポートレート」が似合います。

UCHINO Science of Relaxation


質のいいタオルで知られるUCHINOの制作する本『サイエンス・オブ・リラクゼーション』の制作をしました。
タオルは我々の生活の中にごくごく普通に溶け込んでいる最も身近な布。そのタオルにずっとこだわりを持って作ってこられたUCHINOが考える、タオルをめぐる生活提案が綴られています。
タオルへのこだわりは当然のこととして、そこからさらに話題が生活全体に発展し、最後にはやっぱりタオルに帰ってくる。タオルを極めた人達のタオルを中心にした研究熱心な気持ちが1冊の本になりました。
撮影の現場にも社長自ら参加された時もあり、タオルという人が直接肌に触れるものを真剣に作り続けて来た人達の職人魂を感じました。
また、本でも少し触れていますが、やはりUCHINOのタオルは品質がすごい!
日本はこうした生活の中で使う「あたりまえのもの」をも、たゆまぬ努力で品質を向上させ、コツコツと作れる勤勉さが備わっていることをもっと誇りに思っていいのだと思います。

2011年7月7日木曜日

Paddington House Hop'n Tea


富山県産の大麦と、ネパール産の紅茶で作られた新飲料Hop’n Teaのパッケージデザインを手掛けました。
地元富山の大麦でビールの醸造技術を活用してつくられた、天然発泡の飲料です。カンのプルトップを開けると紅茶葉由来のとても良い香りがふわっと広がります。この商品の発売をしているPaddington Houseはとても美味しい高品質な紅茶を扱っています。地元地域に密着して原材料を調達し、醸造も地元に近い企業で行う。紅茶はネパールのものですが、栽培方法に信頼の置ける紅茶葉を使用する。商品の表面的なルックスや強力にインプットするブランドイメージだけではなくて、材料、製造法など、このプロダクトがこうであるためのなりたちから応援したくなるプロダクトです。